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「LAT43」と北緯43度線について

明日9日(土)11時45分からの乾杯セレモニーで飲める「LAT43」。読み方は「エルエーティ・フォースリー」です。

札幌市清田区発足20周年を記念し、当店が監修し、月と太陽BREWING が醸造しました。

 

 

なぜそんな名前なのか? LATとは? どうして43? といろいろ不思議が浮かぶと思いますが、名前にはいろいろな意味合いを込めています。その自註自解を綴ります。

 

■LATとは?

latitude つまり「緯度」のことで、その一般的な略し方が「LAT」です。
「43」は43度線。もちろん北緯(North Latitude)です。

北緯43度といえば、札幌を象徴する緯度線です。「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」という昭和38年のサッポロビールの名コピーも、この緯度線にちなんだものです。ミュンヘンは48度、札幌・ミルウォーキーは43度。ずれている分だけ「45度付近にビールの名産地がある」という説明をしていました。ところがその半世紀後に、オレゴン州ポートランドが「世界のビールの首都」と呼ばれるようになるまでクラフトビールが発展しますが、ポートランドはまさに北緯45度に位置しています。先見の明ですね。

 

その北緯43度線は札幌市民も馴染みがありますが、では実際に札幌市内のどのあたりを走っているのかを認識している方は少ないと思います。市内を横切っているのは、平岡公園から羊ヶ丘展望台を通り真駒内公園を抜けていくあたりです。札幌市民としては「意外と南側」という感覚のあたりです。

千歳空港まで車で行かれる方でしたら、「高速道路に書いてあったな」と覚えているかもしれません。札幌南インターチェンジのすぐ南側にその看板があります。

 

そして実は、清田区役所に北緯43度が走っています。

 


 https://pos-map.appspot.com/jp/coordinates60.html?lat=43.0000&lng=141.4431&scale=18

 

このことは3年前に偶然知りました。平岡にある妻の実家のすぐ裏側にも43度線が走っていることがわかり、なにもないところで記念撮影もしました(笑)。

それで思ったのは「なぜ区役所はそのことを広報しないのだろう?」ということでした。区役所には図書館がありよく通っていたのですが、そういうことを説明しているもの(パネルなり43度線に合わせて引いたテープなり)をまったく見たことがなかったのです。


■ビールのコンセプト

今回の企画を提案されたとき(なぜMaltheadsにこの企画が来たのかの経緯はこちら)、実はビールのコンセプトは瞬間的に浮かびました。
つまり、「北緯43度にちなんだ4.3%のセッションビール」というコンセプトです。

 

清田区側には二つの説明をしなければなりません。ひとつは「セッションビール」の説明。これはいつも店でもやっているので難しくありません。むしろもう一つの方、「清田区役所に北緯43度線が通っている」ことを説明するのに骨が折れるだろうと考えていました。説明しても「そうなんですね。でもビールとは関係ないですよね」という冷たい反応で終わることもあり得ると心配していました。

 

ところが、それは幸いにも杞憂でした。今回、清田区側の担当だった広報課の岩田さんは、そのことをちゃんと知っていたのです。

 

それどころか「なぜ清田区役所でそれを広報していないのか」という理由をおしえていただきました。区役所の開設後に「測地系の変更」ということがあり、区役所の開設当初はもう少し北にあった43度線が南にずれて敷地内を走ることになった、ということだったのです。

岩田さんのまとめた記事がこちらです。

 

 北緯43度線のお話(「清田区20周年記念ビール」サイトより)
 http://www.city.sapporo.jp/kiyota/20th/craftbeer/column01.html


「その土地ならではの特徴にちなんだ地ビール」というコンセプトが正確に伝わり、ほとんど阿吽の呼吸でコンセプトは決定しました。

 

■「LAT43」のネーミングとコンセプトの連関

あとはネーミングです。これもそれほど考えることなく、自然と「LAT43」という名前が浮かびました。

 

・ドリームズ・カム・トゥルーの曲に「LAT 43゜N 〜forty-three degrees north latitude〜」がある。アラフィフ世代ならピンとくる。

 

・英文字3文字 + 数字は、アイドルグループの命名の定番で、テレビを見ていれば年配の方も無理なく読める。
・「4.3」にしてしまうと「フォー・ポイント・スリー」と読みづらくなるので「43」としたが、読み方はどちらにでもとれるように「フォー・スリー」とした。
・お披露目される「きよたマルシェ」は、老若男女が幅広く集まるお祭り。誰にでも親しみやすい味にする。
・アルコール度数が低いのは、「セッションビール」というクラフトビール界の流行を捉えていることと、どの世代の人でも無理なく飲める度数であること。
・色合いは薄いゴールド。一般的なライトラガービールと同じ色合い。見た目では「いつものビール」と変わらない。
・ホップはアメリカンホップの香りを前に出す。「クラフトビールらしさ」を出すと同時に、「いつものビール」との違いをはっきりと感じてもらう。

 

…と、ざっとこんな感じです。もちろん後付けの理由もありますが、ほとんどすべてが瞬間的に結びついて浮かびました。

 

コンセプトがハマるとスペックも自然と決まっていく。

コンセプトに振り回されてしまって味が散漫になる、という不幸な場合もありますが、今回の「LAT43」はすべてが良い方向に自然と収束していったと思っています。その過程には、とても気持ちの良い感覚がありました。

 

 

当日は、43度線のところ(メインステージのすぐ裏手)に実際に線を引いてくれるそうです。43度線を踏みながら、「LAT43」を味わってください!


「LAT43」のお披露目は9月9日(土)11:45から。
Maltheads および 月と太陽BREWING での提供は、10日(日)からです。

 https://maltheads.net/info/1710359

 

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