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ウエットホップのビール2種

2種類の「ウエット・ホップ」のビール入荷しております。

ひとつは、「サッポロ・クラシック富良野ヴィンテージ 中瓶」。8月26日に上富良野で収穫されたフラノ・スペシャル種のホップを乾燥させずに(ウエット・ホップで)仕込んだ限定品です。

…と説明的に書くとありがたみに欠けるうえに(笑)、もうほとんどの方は缶ではお飲みでしょうから、1枚の写真を添えます。


これは収穫当日、上富良野のホップ畑の写真です。奥に見えるのがまさに「フラノ・スペシャル」です。この写真はお昼前に撮った写真で、「このあと午後から収穫します」との説明を受けました。収穫されたホップはそのまま恵庭の北海道工場に運び、仕込みのスタンバイをしていた工場で、そのまま夜通しで仕込みをするのだそうです。

普通のホップは、収穫して茎から毬花だけを分離した後、巨大乾燥機で8時間ほど乾燥してから出荷されます。ホップはすぐに酸化して品質が劣化するので、この乾燥作業は必須です。しかし乾燥の工程で、揮発的なアロマ成分はいくらか飛んでしまいます。

このままなら「ホールホップ」です。ホール(全体の)状態でビールに使うこと自体も珍しく、通常はさらに細かく粉砕してペレット(錠剤)状に成形したものが使われます。ペレットよりもホールの方が味わいが優れている、と言われます(ルプリンだけでなく花の本体も味に影響するから、という説を聴いたことがありますが、詳しいことは存じません)。

その乾燥工程を経ない新鮮なホップは、「ウエットホップ」や「フレッシュホップ」などと言います。しかし当然、入手できるのはホップの収穫期に限られますし、しかもホップの産地に近いブルワリーでしか使うことができません。日本ではホップ畑自体が多くなく、しかもほとんど大手の契約となっているため、「クラフト」が得意のマイクロブルワリーでさえもウエットホップを使ったビールを造ることは簡単ではないのです。

そのウエットホップを使った「富良野ヴィンテージ」はとても珍しい製品である、といえると思います。さらに北海道限定とはいえ、大規模に流通される商品として造られていることは驚きに値します(キリンの「一番搾りとれたてホップ」は収穫したホップを冷凍してから使っています)。


さらにまた、北海道工場の工場長に直接伺ったお話では、「3年ほど前からウエットホップの使い方を掴んできた」のだそうです。それまではどうしても青臭くなってしまっていたのが、それを抑えることができるようになったとか。

ホップの生育はもちろん、年ごとに違います(今年のホップは、素人目に見てもいいホップでした)。また収穫したホップをその日のうちに使うので、当然収穫の天気にも左右されます(今年は写真の通りに快晴。去年は雨降りだったそうです)。「富良野ヴィンテージ」の"VINTAGE"は、ワインのそれに限りなく近い意味を持っているのです。

そんなことを思いながら、当店でボトルの「富良野ヴィンテージ」をお楽しみください。これは北海道民の特権です。


もうひとつは、イギリスの「ブリュードッグ・ボーン・トゥ・ダイ 27.11.2015」。



数字は賞味期限。つまり11月27日までに飲んでください、というビールです。ウエットホップの香りを楽しむために、超短期賞味期限で造られています。

同様のビールが、アメリカのストーン醸造所の「Enjoy by...」という製品です。これも賞味期限が製品名の一部となっています。上のブリュードッグは、そのストーンの製品にインスパイアされて造られました。

(大瓶のため、少々お値段が張ります。シェアして楽しんでください)
 

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