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セントパトリックデーとウイスキー

本日3月17日はセントパトリックデーです。(以下、特典は17日当日のみ有効です)


アイルランドで5世紀にキリスト教を布教した聖パトリックの命日です。

アメリカにはアイリッシュ系の移民が多いこともあり、日本でもこのお祭りが知られています。シンボルカラーがシャムロックの緑色なので、この日のコードカラーは緑です。

 

本日はサムシンググリーンなら、席代(300円)をサービスします。

 

 

アイルランドと言えばギネス。ロンドンのポーターに対抗して開発された「スタウト」の元祖です。
そのギネスの発祥地に敬意を表してスタウトは10%オフ。

また、どの国のビール・スタイルでも緑色のラベルのビールは5%オフします。

 


そして、ウイスキーも実は「アイルランドが発祥地」とされることをご存じでしたでしょうか?


蒸留技術がアラブから北上して伝わったため、スコットランドよりもアイルランドに先に伝わった、とされています。
さらには今日の主役、聖パトリック御当人がもたらしたという伝説もあります。

 

ウイスキーには「Whisky」と「Whiskey」(「e」の有無)の二つのスペルがあります。

前者がスコットランド系のウイスキーで、「e」が入るのがアイルランド系のウイスキーです。

 

アメリカンウイスキーやカナディアンウイスキーはアイリッシュ系のものが多く「Whiskey」と綴られることが多いです。

一部のバーボンで「Whisky」と綴られているものがありますが、そこはスコッチをルーツに持つ蒸留所だとわかります。(ぜひ探してみてください)

 

われわれジャパニーズウイスキーはスコッチ系なので「Whisky」と綴ります。
いわゆる「世界5大ウイスキー」のなかで、極東のジャパニーズが突然「Whisky」となっているのは、とても興味深いお話です。

 

なぜそうなのかは、数年前からウイスキーに興味をお持ちでしたらいろんなテレビや本でわかりますよね。😉

 

当店はほとんど「Whisky」の品揃えですが、まったく「Whiskey」がないわけでもありません。

 

ケルトパンクの雄「ポーグス」の公式アイリッシュウイスキー。2003年創業のウエストコーク蒸留所のウイスキーです。
アイリッシュは基本がブレンデッドですが(スコッチのような「シングルモルト」はほとんどない)、この「ポーグス」ウイスキーはモルト原酒の比率が高いそうです。

 

本日はポーグスを500円でご提供します。

 

 

ポーグス、かっこいいですよ!
The Pogues - WILD CATS OF KILLKENNY(キルケニーのワイルド・キャッツ)

 

「今が旬」のトラピストビール

今、トラピストビールがまさに「旬」です。

 

ビールの入門書を読むと「断食の修行中に修道僧が飲むことが許された」というようなことが書かれています。その断食期間を「レント(四旬節)」といいます。

 

レントはイースター(復活祭)の前40日間(日曜日はカウントせず)。イースターは太陰暦で決まりますが、2020年は4月9日。今年のレントは2月26日から始まっています。

 

つまり、今がトラピストビールの「旬」となるわけです。

 

 

ちなみに。レントに入る前に「たっぷり食ってやるぜー」というのが謝肉祭。つまり「カーニバル」です。ちょっと前に、リオのカーニバルのニュースがありましたよね。もちろん、イエスがそんなことをしたわけがなく、異教のお祭りが定着したものだそうです。ハロウィンみたいですね。

 

さて、話を分かりやすくするためにここまで「トラピストビール」とだけ書きましたが、もちろん市井のビールメーカーが造るアビイビール(修道院ビール)にも同様のことが言えます。

 

さらに。ビールを造るのはトラピスト派の専売特許ではありません。ベネディクト派修道院の流れを汲むドイツの「パウラナー」には、高度数のビール「ドッペルボック」がありますが、それは身体を温め鋭気を養う意味で「サルバトール(救世主)」という名前になっています(この時期になると売り切れてしまうのが残念…)。

 

初めてこのことを聞く人は「修道士がビールなんて飲んでいいんだ!?」と言いがちです(この仕事をしてきて何千回も聞きました…)。

しかし宗教は酒を許すものと許さないものとに分けることができます。身近なところでも「神道」と「仏教」はそれぞれそうですよね。

 

キリスト教内でもカトリックにとってお酒(=ワイン)はいわば必須アイテム。プロテスタントは禁欲的なのでアメリカの「禁酒法」などにも行きつきましたが、プロテスタントの祖マルティン・ルターは、実はビールが大好きだったそうです。

 

これがワインとなるとなぜか「修道院のワインは美味しいよね」となってしまうのが、まだまだビールのことが知られていない証左なのではないかと思います(笑)。

 

正しい知識があれば、目の前のお酒がよりもっとおいしく楽しめますよ。😀

 

 

※このネタは、過去にも何度か書いています。こちらもご覧ください。

 

「BURRN! ORIGINAL RED ALE」と『BURRN!』誌を読んで思い出した「出会い」のタイミング

長野県オラホビールが、HM/HR専門誌『BURRN!』(バーン)とコラボした「BURRN! ORIGINAL RED ALE」あります。

先週には入手していたのですが、我が家のどっかにあったはずのB!誌がなかなか見つからず(笑)やっと写真撮れました。

 

ビールのスペックとしてはこちらをご覧ください。

https://www.alwayslovebeer.com/burrn-original-red-ale-2020/

 


以下はどうでもいい人にとってはどうでもいい音楽の話。でも、ここからが本題です。


この『BURRN!』は1992年5月号。「エルサレム・スリム」というハノイロックスのマイケル・モンローとスティーヴ・スティーヴンスのバンドが表紙です。
たしかアルバム発売直前にスティーヴが抜けて、結局1枚だけのプロジェクトになってしまったのを覚えてます。しかし、このアルバム、実はいまだに聞いてません。


ではなぜこの号を取っておいたのか。読み直して思い出しました。

 

連載コラム、クラシック評論家の黒田恭一氏の名盤紹介コーナーの記事が良かったためでした。このときは、クレーメル(Vn)とアファナシェフ(Pf)による『シューベルト: ヴァイオリンとピアノのための作品集』の紹介でした。https://www.amazon.co.jp/dp/B00005FHYI


そのコラムはこんな一文で締めくくられていました。

 

音楽にあってもまた、出会いのタイミングが大切である。若いときに出会っておいたほうがいい音楽がたくさんある。このCDできけるシューベルトの、憧れが匂う音楽などは、そのような、若いときに出会っておいた方がいい音楽の代表的な例である。

 

この一文に興味を持って、わざわざ買って聞いたのを覚えています。

 

 


 

それまでは派手な交響曲が好きだったので(ハードロックよりも先にクラシックの方が好きでした)、シューベルトましてや器楽曲はほとんど聞いていなかったのです。しかし、これをきっかけにシューベルトが好きになり、もちろん今でもシューベルトを愛聴しています。

 

そして思うに、上の文の「シューベルト」をなにかのビールの銘柄に置き換えても、いや、先に引用した黒田氏の文の「音楽」を「ビール」に置き換えても同じことがいえると思うのです。

 

Maltheadsで大事にしたいのは、「珍しいビール」を飲んでもらうことではなくて、「良きビール」と出会うタイミングです。


それは「歳を取ってから」とか「充分な知識を仕入れてから」とかいう姿勢ではなかなか訪れないものです。今ちょっと「ニガテ」だと思っているものでも、思い切って飲んでみたらそのときから「一生のお酒」となるかもしれないのです。

 

* * *

 

以下は完全に個人的な話(笑)。

この号を取っておいたもう一つの理由は、Guns N' Roses の2度目の来日(92年2月)の詳細なレポートとインタヴューが載っていたからでした。約30年前、チケットを取るのに徹夜して(笑)並んだものでした。

 

 

1曲目が「COMA」だったこと、途中でアクセルがめちゃくちゃ怒っていたことを覚えてます。一緒に行った友達は最終日も行って(自分はお金がなかったのでワンチャンス)「最終日のが良かったぜ!」と言われて腹正しかったことも良き思い出です。

 

あと、Nirvanaのインタビューが載っていたというのも、とても時代感を感じます。

当時の『BURRN!』はこういうところが良かったのです。(後に崩壊しますけれども)

 

第8回びあけん(日本ビール検定)問題を読んで思ったこと

9月29日、第8回のびあけん(日本ビール検定)が終了しました。

もう受検はしませんでしたが(2度合格しております)、1級の試験問題をいただきました。

 

今年1級に出題されたビールを当店のストックからピックアップしました。出題されたそのものではなく同ブランドの物、また過去にお土産でいただいた空瓶も含みます。

 

もっとあるかな?と思ったのですが、意外と少なかったのが残念でした。(もうちょっとしっかりと入れよう…)

 

 

 

 

さて、今年(2019年)の問題を読んでいろいろな思いが湧きあがってきたので、つらつらと書きます。

 

まず今年の問題の印象。レア物・限定物の出題が少なく、基本的なことを改めて出題しているというように感じました。日本とアメリカのクラフトビールの問題が少なかったので、そう感じたのかもしれません。

 

一見したところ「簡単」なように見えましたが、実は選択肢がよく練られていました。だから解いていて結構間違えました。冒頭に書いたように今年は受検をしませんでしたが、この徒手空拳の状態では間違いなく80点の合格点には達しませんでした。やはり1級は難しいですね。

 

 

そしてボトルビールの写真を撮っていて、改めて最近の当店は樽ビールを積極的に繋いでないことを思い出しました。

 

現在のビアバーは、タップ(樽からの提供)が中心です。ボトル・缶はたしかにネットでも酒屋でも買うことができ、家で飲むことができます。だからわざわざビアバーで飲む必要はないのかもしれません。

 

しかし、ボトル・缶のビールでさえも、ビアバーで「飲むべきビール」はたくさんあると自分は考えています。

 

それはもちろん「びあけんの試験に合格するため」なんかではありません。自分のチョイスに入らないビールを飲む良いきっかけになると思うからです。

「1級はマニアック」と言われ、2度合格してしまった店主もまたよくそう言われます(しかも初対面の方にも)。それを否定はしませんが、細かなホップの種類を気にしたり、1回限りの限定物を飲んだ飲まないの話の方が、よっぽど「マニアック」だと思ってしまうのです。一見マニアックな話をしている人が、意外とスタンダードやクラシックな銘柄を飲んでいないという場面に接して違和感を感じることが多く、なにかもったいない気がしています。


むしろ珍しくもないクラシカルなビールには、それがなぜ「古典」となったのか、あるいはなぜ他のビールの模範となったかには、きちんと理由があります。それはほとんどの場合、そのビール自体の「おいしい」理由に直結しています。だから、もしそのビールが自分の好みに合わなくても、もしかしたらそのことをちょっと「知る」だけで、味の感じ方が変わるかもしれないのです。

 

それだからこそ、当店はこれからもなるべくスタンダードを大切にして、「珍しいもの」がそれほど多くない、ボトル・缶中心のラインナップでやっていきます。

 

ま、そんなやりかたがどこまで通用するのかわかりませんけれども(笑)。

 

 

最後に「びあけん」について。

 

「びあけん」は、人へ知識を自慢するためだけの検定ではないと考えています。その動機で「勉強」を始めることはちっともおかしなことではありませんが、もっと大事なことがあります。

 

きちんとした知識を身に着けることで、ご自身の「味の感じ方」が変わるのです。マイナスに感じていた味に実はきちんとした理由があってそれを「おいしい」と感じられるようになったり、それまで気づかなかった味に気が付いたりします。

 

「びあけん」がきっかけで、できれば当店で(笑)ビールの深く広い世界を体験しに来ていただければ、冥利に尽きます。

 

『恋するクラフトビール』TOAさんからの6周年のお祝いイラスト

昨年9月にご来店下さった当店公式(勝手に)ビール入門書『恋するクラフトビール』著者のTOAさんから、素敵な6周年祝いをいただきました。ありがとうございました!

 

御本人の承諾を得て、公開いたします。

 

『恋するクラフトビール』

 

当店内、カウンター端にサイン入り著書があります。

ぜひお手に取って、この本を足掛かりにビールの世界に足を踏み入れてください。😄

以下が拡大画像です。

 

 

TOA_Maltheads.jpg

 

 ありがとうございました!

 

白老のホステル「haku」へ行ってきました

2019年5月の10連休は、初日26日の「紅桜蒸留所1周年記念パーティ」の他に、最終日2日間にお休みをいただきました。

先月4月にオープンしたばかりの白老のホステル「haku」へ行くためでした。

https://hakuhostel.com/

 

 

実はこのホステルのロゴ作成と内装を、当Maltheadsと同じデザイナーの方が手がけています。(※経営するオーナーとは別の方です

 

その方は数年前に札幌から白老へ移住したのですが、「白老に新しいゲストハウスができた」という情報を知り調べてみると、どうにも同じ空気感が。直接メールで訊いてみたところ、やはりビンゴでした。

 

しかも、なんと7タップのビアバーも併設! ここまで縁があっては行かない理由がありません。

 

 

 

この日は、「鬼伝説」(登別・ほぼ地元)、「ノースアイランド」(江別)、「忽布古丹」(上富良野)の3ブルワリーのビールが繋がっていました。鬼伝説の「金鬼ペールエール」が一番のオススメだそうです(さすが)。「金鬼」以外の6タップは、樽ごとに入れ替えです。


 

ホステルのフロント。この寄木の作り方、当店のカウンターと同じです。10年前に廃業した旅館をリノベーションしていて、このカウンター自体も廃材を使っています。よく見ると扉の取っ手が見えます。

 

デザイナーご本人とは、仕事で白老に不在だったため残念ながら会えませんでしたが、ホステル含めて白老を充分に楽しんできました。

 

白老に滞在・観光するのは初めての機会だったのですが、行ってみるととても良い雰囲気。この土地が、縄文時代〜アイヌ時代と定住の歴史が道内でも特に長い場所であることを肌で感じてきました。

 

現在は、なにか有名な観光地があるわけではありません。というのも、昨年「アイヌ民族博物館」を閉館し、国立の民族博物館「民族共生象徴空間 《ウポポイ》」を建設している真っ最中だからです。来年2020年4月の開館を目指しています。

 

 

街自体もその「準備」をしているような空気感。でもそれは「まだなにもやってない」空気なのではなくて、来年に備えて力を蓄えているような感じです。ノンビリと旅をしたい方は、むしろぜひ今のうちに一度訪れてみてください。現地はレンタサイクルがおすすめです。ポロト湖を一周するだけでも気持ちが良いです。

 

「haku」自体も「ワーク・イン・プログレス」という段階です。泊まった個室の壁は、アーティストにペインティングをするらしく「準備中」という状態。これから部屋の予約状況と画家さん双方のタイミングを見て描いてもらうのだそうです。

 

 ここに何が描かれるのかも楽しみです

 

来年の国立博物館開館時にはおそらく大きな話題になる土地なので、その前にこの雰囲気を楽しんでみてください。

JR駅からもすぐ近くなので、自動車のない方も、飲酒運転が気になるドライバーも行きやすいところです。

 

 

ビアバー兼カフェは、週一日程度のお休みがあるようですので、事前のチェックをしてください。

また、フードメニューは「これから」の課題だそうですが、燻製を中心とした簡単なおつまみがあります。

 

 

最後に。

こちらはいわゆる「ゲストハウス」(簡易宿泊施設)です。宿泊客自身の利用の仕方次第で、快適さが大きく左右されます。

アメニティなどは最小限(有料ならばあり)ですし、部屋内での飲食は禁止です(ラウンジおよびバーを使いましょう)。

あらゆる宿に高級ホテルのような「至れり尽くせりのサービス」を求める方はお気を付けくださいませ。

もちろん「スタッフのサービスが悪い」という意味ではまったくありません。とても居心地のよい宿で、ゆっくりと休めました。

 

 

haku  hostel + cafe bar

住所:北海道白老郡白老町大町3-1-7

TEL:0144-84-5633

https://hakuhostel.com/

「LAT43」と北緯43度線について

明日9日(土)11時45分からの乾杯セレモニーで飲める「LAT43」。読み方は「エルエーティ・フォースリー」です。

札幌市清田区発足20周年を記念し、当店が監修し、月と太陽BREWING が醸造しました。

 

 

なぜそんな名前なのか? LATとは? どうして43? といろいろ不思議が浮かぶと思いますが、名前にはいろいろな意味合いを込めています。その自註自解を綴ります。

 

■LATとは?

latitude つまり「緯度」のことで、その一般的な略し方が「LAT」です。
「43」は43度線。もちろん北緯(North Latitude)です。

北緯43度といえば、札幌を象徴する緯度線です。「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」という昭和38年のサッポロビールの名コピーも、この緯度線にちなんだものです。ミュンヘンは48度、札幌・ミルウォーキーは43度。ずれている分だけ「45度付近にビールの名産地がある」という説明をしていました。ところがその半世紀後に、オレゴン州ポートランドが「世界のビールの首都」と呼ばれるようになるまでクラフトビールが発展しますが、ポートランドはまさに北緯45度に位置しています。先見の明ですね。

 

その北緯43度線は札幌市民も馴染みがありますが、では実際に札幌市内のどのあたりを走っているのかを認識している方は少ないと思います。市内を横切っているのは、平岡公園から羊ヶ丘展望台を通り真駒内公園を抜けていくあたりです。札幌市民としては「意外と南側」という感覚のあたりです。

千歳空港まで車で行かれる方でしたら、「高速道路に書いてあったな」と覚えているかもしれません。札幌南インターチェンジのすぐ南側にその看板があります。

 

そして実は、清田区役所に北緯43度が走っています。

 


 https://pos-map.appspot.com/jp/coordinates60.html?lat=43.0000&lng=141.4431&scale=18

 

このことは3年前に偶然知りました。平岡にある妻の実家のすぐ裏側にも43度線が走っていることがわかり、なにもないところで記念撮影もしました(笑)。

それで思ったのは「なぜ区役所はそのことを広報しないのだろう?」ということでした。区役所には図書館がありよく通っていたのですが、そういうことを説明しているもの(パネルなり43度線に合わせて引いたテープなり)をまったく見たことがなかったのです。


■ビールのコンセプト

今回の企画を提案されたとき(なぜMaltheadsにこの企画が来たのかの経緯はこちら)、実はビールのコンセプトは瞬間的に浮かびました。
つまり、「北緯43度にちなんだ4.3%のセッションビール」というコンセプトです。

 

清田区側には二つの説明をしなければなりません。ひとつは「セッションビール」の説明。これはいつも店でもやっているので難しくありません。むしろもう一つの方、「清田区役所に北緯43度線が通っている」ことを説明するのに骨が折れるだろうと考えていました。説明しても「そうなんですね。でもビールとは関係ないですよね」という冷たい反応で終わることもあり得ると心配していました。

 

ところが、それは幸いにも杞憂でした。今回、清田区側の担当だった広報課の岩田さんは、そのことをちゃんと知っていたのです。

 

それどころか「なぜ清田区役所でそれを広報していないのか」という理由をおしえていただきました。区役所の開設後に「測地系の変更」ということがあり、区役所の開設当初はもう少し北にあった43度線が南にずれて敷地内を走ることになった、ということだったのです。

岩田さんのまとめた記事がこちらです。

 

 北緯43度線のお話(「清田区20周年記念ビール」サイトより)
 http://www.city.sapporo.jp/kiyota/20th/craftbeer/column01.html


「その土地ならではの特徴にちなんだ地ビール」というコンセプトが正確に伝わり、ほとんど阿吽の呼吸でコンセプトは決定しました。

 

■「LAT43」のネーミングとコンセプトの連関

あとはネーミングです。これもそれほど考えることなく、自然と「LAT43」という名前が浮かびました。

 

・ドリームズ・カム・トゥルーの曲に「LAT 43゜N 〜forty-three degrees north latitude〜」がある。アラフィフ世代ならピンとくる。

 

・英文字3文字 + 数字は、アイドルグループの命名の定番で、テレビを見ていれば年配の方も無理なく読める。
・「4.3」にしてしまうと「フォー・ポイント・スリー」と読みづらくなるので「43」としたが、読み方はどちらにでもとれるように「フォー・スリー」とした。
・お披露目される「きよたマルシェ」は、老若男女が幅広く集まるお祭り。誰にでも親しみやすい味にする。
・アルコール度数が低いのは、「セッションビール」というクラフトビール界の流行を捉えていることと、どの世代の人でも無理なく飲める度数であること。
・色合いは薄いゴールド。一般的なライトラガービールと同じ色合い。見た目では「いつものビール」と変わらない。
・ホップはアメリカンホップの香りを前に出す。「クラフトビールらしさ」を出すと同時に、「いつものビール」との違いをはっきりと感じてもらう。

 

…と、ざっとこんな感じです。もちろん後付けの理由もありますが、ほとんどすべてが瞬間的に結びついて浮かびました。

 

コンセプトがハマるとスペックも自然と決まっていく。

コンセプトに振り回されてしまって味が散漫になる、という不幸な場合もありますが、今回の「LAT43」はすべてが良い方向に自然と収束していったと思っています。その過程には、とても気持ちの良い感覚がありました。

 

 

当日は、43度線のところ(メインステージのすぐ裏手)に実際に線を引いてくれるそうです。43度線を踏みながら、「LAT43」を味わってください!


「LAT43」のお披露目は9月9日(土)11:45から。
Maltheads および 月と太陽BREWING での提供は、10日(日)からです。

 https://maltheads.net/info/1710359

 

ウイスキーと私

今日はお店休んで、「ウイスキー検定」最後の追い込みをしています。

 

『モルトウイスキー大全』1995年初版巻末についていた「モルトマスターのための練習問題集」で勉強しています。引っ張り出して思い出したのですが、実はこの問題集こそがMaltheadsの原点なのです。

 

 

20年前の1997年のこと。当時住んでいた東京(実家でもあります)で兄の紹介からバーに通うになり、シングルモルトにハマりました。その行きつけのバーで薦めてもらって知ったのがこの『モルトウイスキー大全』です。マスターは当時から著者の土屋守氏とも絡んでいる人でした。実際にウイスキーを味わいながら細かい話も聞き、そして貪るようにこの本を読みました。

 

巻末に、写真の「練習問題」があります。今からして思えば、土屋氏は当時から「ウイスキー検定」のようなことをやりたかったのでしょうね。しかしその後の改訂版からは掲載がないので、初版から読んでいる方しかご存知ない貴重な資料かもしれません。

 

末尾にも書いてありますが、なんとこれには「解答編」がありません。その分、全部解きたい一心で相当に本編を読み込むことができました。それでさらにウイスキーに興味が湧きます。

 

 

あるときマスターに「ウイスキーにもソムリエみたいな資格はあるんですか?」と訊いてみたところ、「ウイスキーでそういう資格はないのですが(*)、ビールにはあるようですよ」、と教えてもらい、ビアテイスターの存在を知りました。
(*「スコッチ文化研究所」や「ウイスキーコニサー」ができるのはその後21世紀になってからです)

 

「ビールか。同じ麦のお酒だしね〜」と興味をもって調べてみると、自宅の沿線にビールの専門店がありました。それがいまや「ビアバーの聖地」と言われる両国のポパイでした。(以後の経緯は述べるまでもないでしょう)

 

 

改めて解いてみる「練習問題」は、20年以上前の内容なので時代を感じましたが(ときには現在の定説と違うことも)、今でも案外とスラスラ解けたのには自分でも驚きました。

 

でも今回は1級合格は難しそう(笑)。あと1年頑張れば、日本ビール検定と合わせて「ダブル1級」行けるかもしれません。

 

 

この仕事を始めてからはビールばかりでウイスキーから離れてしまったので、Maltheadsでウイスキーを出していることを「片手間」だと思っている方も多いとは思います。しかしそんなわけで、実は店主の原点はウイスキーの方にあるのです。

 

 

 

清田区20周年ビール「LAT43」の発酵具合

月と太陽ブルーイングとの共同制作、清田区20周年ビール「LAT43」の発酵具合を見てきました。
http://www.city.sapporo.jp/kiyota/20th/craftbeer.html

 

糖化〜酵母投入までの「仕込み」は何度も経験がありましたが、今回のように発酵の管理まで踏み込んで見たのは実は初めてで、大変勉強になりました。
滝川クラフト工房のビールの仕入れもしてきましたので、話を聞きたい方はぜひ。

 

次の休みは25日(火)です。

 

 

 

ハロウィンなので、パンプキンとカボチャについて

ハロウィンです。

「ニセコ・パンプキンエール」をどうぞ。

http://maltheads.jugem.jp/?eid=401

 

 

「パンプキンエール」には、ほとんどの場合シナモンが使われています。あれがなぜかと言えば、「パンプキン」のエールなのではなくて、アメリカ人の郷愁を誘う「パンプキンパイ」をエールにしたものだからだそうなのです。ベジタブルビールというよりは、スイーツビールというわけですね。

 

上のニセコ・パンプキンにもシナモンが使われています。しかし、熟成してしまった分だけ香りが引っ込んでしまっています。お店ではシナモンパウダーを用意していますので、少々振りかけてください。味わいが増します。

 

 

さて、「パンプキン」と「カボチャ」は同じものではない、ということに薄々気づいている方も多いと思います。しかし、具体的にどう違うかは、なかなか説明できないものです。2年前の記事ですが「NIKKEI STYLE」のわかりやすい記事を見つけました。
http://style.nikkei.com/article/DGXNASFK2800B_Q3A930C1000000?channel=DF260120166493&style=1

 

やはり品種が違うのですね。われわれがいつも食べている「カボチャ」は西洋カボチャということになります。


日本版の「(西洋)かぼちゃエール」ができないかなぁ、と前々から思っています(もうすでにあるのかもしれませんが)。甘みがあって、出汁のうまみが隠し味のビール。ブラウンエールかポーターくらいで造ればちょうどいいのでしょうか。もちろん発売時期は、ハロウィンではなくて冬至です。

 

この記事によれば道産の「ストライプペポ」という品種があるそうです。果肉部分の処理に困っているそうですが、それこそ「パンプキンエール」に使えばいいのに、とも思いました。

 

 

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